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――2分41秒――最高記録
ワッカ : ユウナ 時間だぁ
ユウナ : 今行くー
ワッカ : ずいぶん潜ってられるようになったんだな
ユウナ : ワッカさんにはかないません
ワッカ : 俺はもうダミだなぁ トレーニングだって ごぶさただあ
ユウナ : ぷにぷにだしね
ユウナ
: ワッカさんが産むわけじゃないんだよ
あれから2年
私 2分も潜っていられるようになりました
長く潜るためには 体力だけじゃなくて
いくつかのコツが必要でーー
言葉で説明されても わからなかったけど
何度も試して 最近やっとわかってきたんだ
ねえ あの頃は そんなコツがあるなんて
考えた事もなかったよ
考える余裕なんてなかった
永遠のナギ節
それは 私の2分41秒と
ちょっと太ったワッカさん
小さな――でも おだやかで幸せ
タスジオ
: 2年前 スタジアムで遠くからお姿を拝見していたのですが・・・・・・
タスジオ
: こうして間近でお目にかかると なんとまあ お美しいーー
ユウナ : ありがとうございます
タスジオ
: 今日は孫のことでお願いがありまして
タスジオ
: 孫が青年同盟に入ってしまったのです
タスジオ
: まあ あの同盟も悪くはないのでしょうが 私も妻も新エボン堂員でしてなーー
タスジオ
: もちろん息子夫婦も同じです 孫も 以前は 集会に参加していたのですが ある日突然
タスジオ
: 同盟には若い者たちが多いので 孫にとっては 刺激的で いいのかもしれませんがーー
あれから スピラのあちこちでいくつもの
グループが結成されました
あたらしい時代をどうやって作っていくべきか
これからのスピラはどうあるべきか――
みんなが 自分たちも時代を探しているところです
タスジオ
: ――孫たちは――なんというか 急ぎすぎている気がするのです――
いろんな考え方があるから 時には対立も起こります
中には こんな時代を不安に思う人もいるみたい
実は 私も時々――
でも 今はこれでいいんだ そう思って暮らしています
ユウナ
:お気持ちはわかります でも タスジオさん 一度 お孫さんと 話し合ってみてください
ユウナ
:はたから見ると危なっかしいかもしれないけれど スピラを思う気持ちは きっと同じですから
ワッカ : おーい
ユウナ : あれ?お客さん?
ワッカ : うんにゃ ちょっと話をな
ワッカ : あのな――村のじいさんばあさんたちが また 例の話をなぁ――
ユウナ : 今度は誰?
ワッカ : 新エボン党の 党首の息子らしいぞ
ユウナ : 絶対に いや
ユウナ
: ――私 きっと その人に利用されちゃうよ
ワッカ : あ!
ワッカ : 悪かったな ユウナ
ユウナ : 私から 断っておくね
ワッカ : いいって――俺にまかせろ
ワッカ : 年寄りたちの寂しそうな顔を見るの ユウナ つらいだろ?
ユウナ : ――うん
ユウナさまー!
ヤイバル: ユウナさま!
ヤイバル: 自分は青年同盟のヤイバルであります
ヤイバル: 本日はユウナ様に我らの同盟ヌージからの 伝言をお伝えに参りました!
ワッカ : 同盟への参加はお断りだぞ
ヤイバル: え?
ユウナ : そういうお話なの?
ヤイバル: その通りであります
ユウナ
: 私 どこのグループにも参加さませんから
ヤイバル: もしや ご自分のグループを作るのでは?
ユウナ : 帰ってください
リュック : ユウナ!ワッカ!
リュックは時々ビサイドに来てくれます
彼女は、スピラ中で機械の使い方を指導したり
、大地にうもれた機械や海中の機械を発掘したり
忙しそうだけど――いつも楽しそうです
ワッカ : やめれー!
リュック : ほんとぷにぷにだねぇ。
ルールーは?
ワッカ : おう、村にいるぞ 会っていけよな
リュック : もちろん!ユウナは―――相変わらずみたいだね
ユウナ : そう、相変わらず
ワッカ : キマリはまだガガゼト山なのか?
リュック : そうそう、ロンゾの孤児たちにいろいろ教えているんだ すっかり先生って感じだね
でね、今日はキマリからあずかってきたこれを―――山の中で見つけたんだって
ユウナ : スフィア?
ワッカ : 珍しいカタチだなあ
リュック : ユウナ――よっく見てね
なんで俺が逮捕されるんだ?納得いかないっての!なあ 聞こえているんだろ?
アイツがあんたのカノジョだったらどう思う?
敵の機械兵器使って、どこが悪いんだよ!召喚士を守るには ああするしかなかったんだ!
自分ならどうするか、考えろよ!出してくれよ――アイツに会わせてくれ
なつかしいなんて言えない
ずっと身近にある声で――
ワッカ : なんだよこれ――アイツなにしているんだ――つうかよ 本当にアイツなのか?
ど どういうことだよ、これ
リュック : よくわからないんだ
。でも知りたいでしょ?
ワッカ : そりゃそうだ
ユウナ : ―――うん
リュック : 調べに行こう
ワッカ : どこへ?
リュック : わからないよ、そんなの。
とりあえず、これを見つけたキマリに話を聞いて、それから考えよう!
ワッカ : 行くったってよ―――わからないことが多すぎるだろ?
もうちょい、いろいろわかってからでもいいんじゃないのか?
リュック : 誰が調べるわけ?
ヤイバル: 我々におまかせください! リーダーのヌージも賛成するはずです。
いえ、自分が説得します!
ワッカ : 帰れよ!
ヤイバル: 了解です!では行って来ます!委細判明次第 戻りますので!
リュック : アタシは ユウナ自身に旅してほしいな
ワッカ : そりゃダメなんだ
リュック : どうして?
ワッカ : 3か月先まで客の予約が入っている。みんなユウナに会うのを楽しみにしているんだ
リュック : ユウナの楽しみは?
ワッカ : そりゃ おまえ―――いつか 世の中が落ち着いたらな
リュック : いつかなんて、待ってたら来ないよ!ワッカどうしちゃったの?
ユウナはあんなにがんばったんだよ!
もう自分のことだけ考えればいいのに。それなのに、どうして!?
アタシここに来るたびに思っていたんだ
みんなどんどん新しい幸せを見つけていくのに―――ユウナの時間だけ止まったままだよ」
ワッカ : そんなこたぁ――
リュック : ぷにぷにワッカはなーんにもわかってない!ユウナ!
ユウナ : 私は――
また、旅に出てみたい。でも ―――
勝手にいなくなったら 誰かをがっかりさせてしまうかも―――
ユウナ : 私―――
大人ぶってカッコつけてさ
言いたいことも言えないなんて絶対イヤだ
そんなんじゃ、なにも変えられない
ユウナ : 行く!
ワッカ : ユウナぁ
ユウナ : 勝手で悪いんだけど―――
これは私の物語だから
リュック : でしょー!絶対ユウナはそういうと思ってアタシ、お土産持ってきたんだ
ワッカ : マジかよ
リュック : まず着替えね。雰囲気がらっと変えちゃおうよ。相変わらず有名人なんだから、変装っぽく
ワッカ : ちょ ちょっと待ってろよな。ルー呼んでくっから
永遠のナギ節
それは私の2分41秒と
ちょっと太ったワッカさん
小さくて、おだやかな幸せ でも―――
もっと欲張ってもいいよね
ユウナ
: リュック、いまのうちに出発しちゃおう!
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